人に喜ばれることに喜びを見い出す。それが、エゴに囚われた状態から抜け出す最良の道だと思う。人から喜ばれることを考えなければ、自分のことばかり考えることになる。自分のことばかり考えていれば、どんな状況でも何かしらの不満を感じるだろう。「自分が不利なことをされた」とか。自分の不満のことばかり気にしていれば、ノイローゼになる。もし特に不満がなくても、自分のことだけ考えていれば、虚しさを感じて、それが不満になるだろう。
仏教では利他、慈悲を説く。キリスト教でも愛を説く。それが大切なのは、それによってエゴに囚われた状態から抜け出せるからではないか。
ただし、「人の役に立っている自分」という自己イメージに執着すれば、またエゴに囚われる。
同じことをやるにしても、エゴに埋もれてやるのと、人のためと思ってやるのでは違う。どういう心でやるかが問題。人のためを思って、ボランティアなど、新しいことを始めるのもいい。しかし、今やっていることを違う意識でやるのも大切。